認可保育所に適した会計ソフトの選び方と製品リスト

目次
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認可保育所の会計実務においては、社会福祉法人特有の会計基準への対応に加え、加算管理や保護者からの集金対応、指導監査への備えなど、認可保育所の会計実務には特有の難しさがあります。

本記事では、自園の運営体制に合致する会計システムを絞り込むための、実務的な評価ポイントを整理しました。

認可保育所における会計業務の主な課題

社会福祉法人会計基準への準拠と計算書類作成の
難易度

認可保育所の運営においては、社会福祉法人会計基準の遵守が必須となります。
一般企業向けソフトでは、日々の記帳は行えても、最終的な資金収支計算書や事業活動計算書を作成する際に、改めて表計算ソフトで加工し直す工程が発生しがちです。

制度に即した形式へ手作業で修正する負担は、実務の遅滞を招くだけでなく、担当者の精神的な疲弊や転記ミスのリスクを高める要因となります。

給付費・処遇改善等加算・保護者集金管理の煩雑さ

公立的な資金(公金)と私費が混在する管理体制も、実務を複雑化させる要因です。例えば、延長保育料などの集金データを会計システムへ再入力する手間は、多くの現場で共通の課題となっています。

また、処遇改善等加算に関連する数値を突き合わせる作業に多大な時間を費やすケースも少なくありません。
必要な数値を迅速に抽出できない仕組みでは、集計や照合の工数が膨らみ続けてしまいます。

指導監査に向けた証憑確認と履歴管理の負担

監査対応の際、膨大な書類の中から対象となる領収書を捜索する作業が、本来の業務時間を圧迫します。
日々の入力内容が体系的に整理されていない場合、指導監査への対応は突発的な重労働となりかねません。

さらに、修正履歴が不透明な状態では、過去の経緯を論理的に説明できず、監査への不安を増幅させる結果を招きます。

認可保育所が会計システムを
導入するメリット

日常処理から決算までの事務工数を削減

保育ICTシステムで管理する集金データなどを会計システムへ直接連携させる仕組みを構築すれば、数値の再入力に伴う手間を排除できます。
一度の入力で関連する帳票へデータが反映されるため、事務作業の停滞を防げる点が専用ソフトを導入する大きな価値です。

現場の事務フローが効率化されれば、月末月初に集中しがちな業務負担を分散し、事務を兼任する職員の心理的な余裕や実務のゆとりを創出できます。

園別・事業別の収支状況や予算執行の可視化

事務作業を効率化した先には、経営判断の質を向上させられるという利点があります。
複数園を運営している法人であっても、園ごと、あるいは事業区分ごとの収支や予算の執行状況を迅速に照会・比較できるようになるためです。

正確な数値がリアルタイムで可視化されることで、会計システムは単なる記録ツールではなく、法人運営の次の一手を導き出す戦略的な材料として機能します。

入力ミスの抑制と属人化の解消による監査対応の
安定化

特定のベテラン担当者に実務が依存する状態は、急な離職や担当変更の際に運営上のリスクを伴います。
専用ソフトの導入により「誰がいつ数値を修正したか」という操作履歴(ログ)を保持できるため、業務の透明性が高まり、属人化の防止が可能です。

また、閲覧専用や編集可能といった役割に応じた権限設定も行えるため、誤操作や不正を未然に防ぐ仕組みを構築でき、指導監査にも自信を持って臨める体制が整います。

認可保育所における
会計システムの選び方

  1. 社会福祉法人会計基準に準拠した決算書類をスムーズに出力できるか
  2. 施設型給付費や処遇改善等加算など、特有の仕訳・管理を網羅しているか
  3. 保育ICTシステムと連携し、再入力の手間を最小限に抑えられるか
  4. 役割に応じた権限設定が可能で、誤入力や属人化を抑制できるか
  5. 指導監査に即応できる証憑保存機能や、専門的なサポート体制を備えているか

選定の第一段階として、社会福祉法人会計基準に非対応の製品は検討対象から除外するのが合理的です。

そのうえで、給付費や加算、保護者集金といった認可保育所特有の数値管理に即応できるかを確認しましょう。
さらに、二重入力の解消や権限設定によるミス防止、監査対応機能の充実度など、実務負担の軽減に直結する項目を中心に比較検討を進めることが重要です。

認可保育所では会計基準への厳格な準拠や外部システム連携が鍵となりますが、幼稚園や他の福祉施設では重視すべき優先順位が異なるケースも少なくありません。

当メディアでは、各法人が運営する施設別ごとに、特有の課題解決を支援する機能を備えた会計システムを厳選。
認可保育所での運用に適した製品も紹介していますので、選定の判断材料としてお役立てください。

認可保育所で会計システムを
運用するコツ

科目設計・部門設計の
事前確定

会計システムの稼働前に、「どの単位で数値を把握すべきか」を明確に定義しておくことが重要です。
通常保育、延長保育、一時預かりといった事業区分や、拠点・本部別の集計軸をあらかじめ設計しておかないと、後日のデータ抽出や分析に支障をきたします。

導入段階での綿密な運用設計こそが、長期的な使いやすさを左右する鍵となります。

実務に即した入力ルールの明文化

システムが多機能であっても、入力手法が担当者ごとに分散しては、正確な数値管理は行えません。
摘要欄の記載ルールや証憑類の保管場所、データ連携のタイミングなどを整理し、現場向けの簡潔なガイドラインを作成しておきましょう。

操作に迷わない統一ルールを整備することが、日々の事務作業を円滑に進行させるための土台となります。

権限の分離と確認フローによる属人化の排除

入力から承認までの工程を特定の個人に依存させると、業務の属人化を招き、ミスの早期発見も困難になります。
入力・確認・承認の役割を明確に分けることが、担当者の交代があっても実務が滞らない体制を構築する要諦です。

各園で入力を完結させ、本部で月次照会を行い、最終的に園長が承認するといったフローを構築すれば、少人数の組織であっても運用の透明性と安定性を両立しやすくなります。

認可保育所で会計システムを
導入した事例

株式会社グローバルキッズ

  • 運営施設の種別:認可保育所、認証保育所ほか
  • 拠点数:認可保育所18施設、認証保育所20施設ほか(2013年4月時点)

導入背景:事業拡大に伴う
管理基盤の再構築

首都圏を中心に認可保育所を急速に展開するなか、職員増による給与計算の負荷増大や、本部から各園の状況をリアルタイムに把握したいという課題を抱えていました。
事業成長のスピードに即応できる強固な管理基盤として「PCAクラウド」を採用しました。

導入効果:拠点状況の可視化と
運用柔軟性の向上

勤怠管理や給与明細の電子化により事務効率が向上。打刻データの活用で、登降園管理を含む園内の状況が可視化されました。
拠点の増加に合わせて、段階的に必要な機能を追加・拡張できる点も、長期的な運用における大きなメリットとなっています。

SSMotherホールディングス株式会社

  • 運営施設の種別:認可保育所、企業主導型保育所
  • 拠点数:35園(事例公開時点)

導入背景:少数精鋭の体制で
拠点増に対応

運営園数が短期間で倍増するなか、経理担当者の増員を抑制しながらバックオフィス機能を強化する仕組みが求められていました。
最小限の人数で各拠点の数値を滞りなく管理できる体制を目指し、「freee会計」の導入に至りました。

導入効果:月次決算期間の大幅な短縮

銀行口座との自動連携や業務フローの抜本的な見直しにより、以前は2か月を要していた月次決算がわずか10日へと短縮されました。
少数精鋭の経理体制であっても、全国35園の運営を支える盤石な管理フローを実現しています。

参照元:freee公式HP
https://www.freee.co.jp/cases/ssmother/

認可保育所に向いている
会計システム一覧

各製品の公式情報において「認可保育所(認可園)」への対応が明記されている、または認可保育所での導入実績を有するシステムを掲載しています。

PCAクラウド 社会福祉法人会計

PCAクラウド 社会福祉法人会計製品ページキャプチャ画像
引用元:ピー・シー・エー公式HP
(https://pca.jp/area_product/cloud/prosyaf_cloud_top.html)

PCAクラウド 社会福祉法人会計の特徴

社会福祉法人の会計実務に不可欠な事業区分や拠点区分、内部取引の相殺、配賦処理を網羅しています。
独立行政法人福祉医療機構が運営する「財務諸表等電子開示システム」とのデータ連携機能も標準搭載。

制度改正への迅速な対応を軸に、複数園の統合管理や本部機能を堅実に整備したい法人に適しています。

PCAクラウド 社会福祉法人会計の機能一覧

  • 社会福祉法人会計基準対応
  • 事業区分・拠点区分設定
  • 内部取引仕訳
  • 配賦処理
  • 予算作成
  • 承認機能
  • WAM NET連携
  • ログ管理・アクセス制御
  • CSV・請求書・領収書データ取込
  • 企業名:ピー・シー・エー株式会社
  • 本社所在地:東京都千代田区富士見1-2-21 PCAビル
  • 電話番号:03-5211-2700(代表)
  • 電話受付時間:公式HPに記載なし
  • 公式HP:https://corp.pca.jp/

社会福祉法人 with freee

freee公式HPキャプチャ
引用元:freee公式HP
(https://www.freee.co.jp/products/)

社会福祉法人 with freeeの特徴

社会福祉法人専用のレポート機能と会計システムを統合し、領収書の自動読み取り(OCR)や支出管理、給与システムとのシームレスな連携を可能にする設計です。
少人数の事務体制で実務を担い、アナログな紙処理や手入力の工数を大幅に削減したい認可保育所のニーズに適しています。

社会福祉法人 with freeeの
機能一覧

  • 銀行口座やクレジットカード履歴の自動連動
  • 領収書のスマホ撮影と自動読み取り
  • 新しい社会福祉法人会計基準に沿った決算書の自動作成
  • 拠点やサービス区分ごとの収支管理機能

社会福祉法人 with freeeの
提供元情報

  • 企業名:フリー株式会社
  • 本社所在地:東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 21F
  • 電話番号:要問い合わせ(※直通電話サポートはプランにより予約制で対応)
  • 電話受付時間:要問い合わせ
  • 公式HP:https://www.freee.co.jp/industry/social-welfare/
【施設別】
社会福祉法人向け
会計システムおすすめ3選

本メディアでは、「保育・介護・障がい者施設」それぞれのの課題を解決するおすすめの会計システムを紹介しています。システム選びの比較・検討にお役立てください。

保育施設なら
提出書類とWAM NETデータの
不整合を防ぐ
チャイルド社
CHAPPY®
チャイルド社公式HP
引用元:チャイルド社公式HP
(https://www.child.co.jp/category/pc/CHAPPY®.html)
  • 保育園向け会計システムのチェック機能により、数値の矛盾を自動で検知。自治体への提出やWAM NET登録の根拠となる決算報告書を正確に作成できる。
  • 紙の出納帳と同じデザインの入力画面を採用しているため、小口現金の記録がスムーズ。書き写し作業が不要になり、転記ミスを防止する。
介護施設なら
拠点ごとの収支管理を
会計基準に即して自動化する
NDソフトウェア
「ほのぼの」シリーズ
NDソフトウェア公式HP
引用元:NDソフトウェア公式HP
(https://www.ndsoft.jp/product/next)
  • 介護ソフトの確定請求データを取り込み、仕訳伝票を自動作成。利用者ごとの手入力作業と転記ミスの低減につながる。
  • 複数拠点で共通する経費を、仕訳パターンに登録するだけで自動配分。拠点選択ミスの一括修正機能も備え、毎月の締め作業時間を短縮する。
障がい者施設なら
預り金の透明化で
管理リスクを解消する
CIJ
SWING
CIJ公式HP
引用元:CIJ公式HP
(https://www.susaki-e.co.jp/product/)
  • 正規・非常勤・パートが混在する障がい者施設で発生しがちな、複数月にわたる給与の遡及差額計算を自動化。計算ミスによる給付費の返還リスクを低減する。
  • グループホームなどの施設ごとに、利用者の預り金を個別・一括で管理し、明細帳票を出力。法人の資金と混同しやすい工賃や預り金をミスなく運用しやすい。
施設別に選べる
社会福祉法人向け
会計システム3選