介護施設における会計システムの選び方と製品リスト

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特養・老健・デイサービスなど、社会福祉法人が運営する介護施設の施設長や事務長、経理担当者に向けて、会計システムを選定する際の判断軸と施設類型ごとの確認ポイントを整理しました。

導入後の実務で支障をきたさないための選び方として、ぜひお役立てください。

介護施設で会計システム選びが難しい理由

会計処理に加え報告業務や監査への適応が求められる

介護施設の会計実務は、日々の入力作業のみで完結するものではありません。社会福祉法人会計基準に準拠した計算書類の作成から電子開示、行政による指導監査への適切な対応までが求められます。

必要な数値を即座に抽出できないシステムでは、現場や本部が膨大な事後対応に追われかねません。

汎用的なシステムでは
手作業の依存度が高まる
リスクがある

一般的な会計システムでも日々の記帳自体は可能ですが、介護施設特有の実務においては、入力後の集計作業が手作業になりやすいのが実情です。

施設ごとに把握すべき数値をExcelで切り分けたり、事業区分ごとに再集計したりといった付随業務が発生しがちです。

介護施設に共通する
会計システムを選ぶ際の
ポイント

  1. 必要な帳票や資料をスムーズに抽出できるか
  2. 施設別・拠点別の数値を把握しやすいか
  3. 二重入力の手間を削減できるか
  4. 担当者が替わっても操作に迷わない設計か
  5. 制度改正時に専門的な相談が可能か

提出書類や確認資料を即座に抽出できるか、施設別・拠点別の数値を本部で一括管理できるかは、特に重要な確認ポイントです。

社会福祉法人会計基準が拠点区分別の整理を前提としているため、管理単位がシステムの設計と合致していないと、月末のExcel集計や監査前の資料捜索といった工数が膨らんでしまいます。

また、一度入力した数値を再入力する手間を抑えられるか、後任者でも扱える明快な設計か、制度改正時に迅速なサポートを受けられるかも、安定した運用を維持するうえで不可欠な視点です。

単なる製品名ではなく、毎月の定型業務をどこまで簡略化できるかという実務的な視点で比較することが、自法人に最適なシステム選定に繋がります。

介護施設の種類ごとに
確認したいポイント

特別養護老人ホーム:施設別管理と本部集計を円滑に運用できるか

入所型施設である特別養護老人ホームでは、施設単位の数値把握と本部側での集計確認を両立させる視点が不可欠です。
現場で入力が完結しても、本部で比較・分析しにくい仕様では月次確認の負担が重くなります。

人件費や設備費を含め、施設ごとの収支状況を迅速に把握できるかを確認しましょう。

介護老人保健施設:
多職種体制に合わせた事業区分管理の容易さ

リハビリや看護、介護が混在する介護老人保健施設は、その性質上、複数のサービスをまたぐ複雑な管理になりやすい形態です。

必要な数値を即座に抽出できるか、事業ごとの収支を正確に可視化できるかが選定の要。多様な事業展開に即して数値を整理・集計できる能力に着目します。

デイサービス:少人数体制でも入力・集計を効率化
できるか

通所型のデイサービスは、少人数体制で事務兼務が発生しやすい現場です。操作が煩雑だと月末に作業が滞り、確認画面が不鮮明であれば実務の手が止まる要因となります。

日々の必要資料を滞りなく出力できる機能性と、直感的に扱える操作性を兼ね備えたシステムが理想的です。

訪問介護:加算管理や
報告業務に向けた数値整理の利便性

利用者宅を訪問してサービスを提供する訪問介護は、実績や加算に関連する数値を後から集約する負担が膨らみがちです。
Excel等での再集計に頼らず、システム内で完結できるかどうかが選定の軸となります。

グループホーム:規模に
適した操作性と証憑管理の両立

グループホームは小規模運営が主となるため、まずは実務に即した使いやすさを優先するのが定石です。
あわせて、領収書や請求書を迅速に照会できる証憑管理機能の有無も確認しましょう。
組織規模に対して過度な負担とならない、バランスの良い運用を見極めるのがポイント。

ショートステイ:併設事業との切り分け・単体集計のしやすさ

ショートステイは特別養護老人ホーム等に併設されるケースが多く、施設全体の数値とは別に、短期入所分のみを抽出したい場面が頻繁に生じます。
そのため、手作業での切り分け作業を排除し、必要な区分のみをスムーズに把握できるかが判断基準となります。

特養・老健・デイサービスなど、社会福祉法人が運営する介護施設の施設長や事務長、経理担当者に向けて、会計システムを選定する際の判断軸と施設類型ごとの確認ポイントを整理しました。

導入後の実務で支障をきたさないための選び方として、ぜひお役立てください。

介護施設の会計は「会計ソフト」で検索されることが多い一方、実際に必要になるのは一般的な会計ソフトではなく、社会福祉法人会計基準に対応し、拠点区分・サービス区分ごとの管理ができる製品です。このページでは施設種別ごとの確認点を整理したうえで、介護施設に向いている会計ソフトを具体的に紹介します。

介護施設で会計システム選びが難しい理由

会計処理に加え報告業務や監査への適応が求められる

介護施設の会計実務は、日々の入力作業のみで完結するものではありません。社会福祉法人会計基準に準拠した計算書類の作成から電子開示、行政による指導監査への適切な対応までが求められます。

必要な数値を即座に抽出できないシステムでは、現場や本部が膨大な事後対応に追われかねません。

汎用的なシステムでは
手作業の依存度が高まる
リスクがある

一般的な会計システムでも日々の記帳自体は可能ですが、介護施設特有の実務においては、入力後の集計作業が手作業になりやすいのが実情です。

施設ごとに把握すべき数値をExcelで切り分けたり、事業区分ごとに再集計したりといった付随業務が発生しがちです。

介護施設に共通する
会計システムを選ぶ際の
ポイント

  1. 必要な帳票や資料をスムーズに抽出できるか
  2. 施設別・拠点別の数値を把握しやすいか
  3. 二重入力の手間を削減できるか
  4. 担当者が替わっても操作に迷わない設計か
  5. 制度改正時に専門的な相談が可能か

提出書類や確認資料を即座に抽出できるか、施設別・拠点別の数値を本部で一括管理できるかは、特に重要な確認ポイントです。

社会福祉法人会計基準が拠点区分別の整理を前提としているため、管理単位がシステムの設計と合致していないと、月末のExcel集計や監査前の資料捜索といった工数が膨らんでしまいます。

また、一度入力した数値を再入力する手間を抑えられるか、後任者でも扱える明快な設計か、制度改正時に迅速なサポートを受けられるかも、安定した運用を維持するうえで不可欠な視点です。

単なる製品名ではなく、毎月の定型業務をどこまで簡略化できるかという実務的な視点で比較することが、自法人に最適なシステム選定に繋がります。

介護施設の種類ごとに
確認したいポイント

特別養護老人ホーム:施設別管理と本部集計を円滑に運用できるか

入所型施設である特別養護老人ホームでは、施設単位の数値把握と本部側での集計確認を両立させる視点が不可欠です。
現場で入力が完結しても、本部で比較・分析しにくい仕様では月次確認の負担が重くなります。

人件費や設備費を含め、施設ごとの収支状況を迅速に把握できるかを確認しましょう。

介護老人保健施設:
多職種体制に合わせた事業区分管理の容易さ

リハビリや看護、介護が混在する介護老人保健施設は、その性質上、複数のサービスをまたぐ複雑な管理になりやすい形態です。

必要な数値を即座に抽出できるか、事業ごとの収支を正確に可視化できるかが選定の要。多様な事業展開に即して数値を整理・集計できる能力に着目します。

デイサービス:少人数体制でも入力・集計を効率化
できるか

通所型のデイサービスは、少人数体制で事務兼務が発生しやすい現場です。操作が煩雑だと月末に作業が滞り、確認画面が不鮮明であれば実務の手が止まる要因となります。

日々の必要資料を滞りなく出力できる機能性と、直感的に扱える操作性を兼ね備えたシステムが理想的です。

少人数体制でも導入しやすい価格帯の製品は、ミスヘルパー 会計システムの項目で紹介しています。

訪問介護:加算管理や
報告業務に向けた数値整理の利便性

利用者宅を訪問してサービスを提供する訪問介護は、実績や加算に関連する数値を後から集約する負担が膨らみがちです。
Excel等での再集計に頼らず、システム内で完結できるかどうかが選定の軸となります。

処遇改善加算を会計伝票へ自動反映できる製品は、福祉総合システムSWINGの項目で紹介しています。

グループホーム:規模に
適した操作性と証憑管理の両立

グループホームは小規模運営が主となるため、まずは実務に即した使いやすさを優先するのが定石です。
あわせて、領収書や請求書を迅速に照会できる証憑管理機能の有無も確認しましょう。
組織規模に対して過度な負担とならない、バランスの良い運用を見極めるのがポイント。

ショートステイ:併設事業との切り分け・単体集計のしやすさ

ショートステイは特別養護老人ホーム等に併設されるケースが多く、施設全体の数値とは別に、短期入所分のみを抽出したい場面が頻繁に生じます。
そのため、手作業での切り分け作業を排除し、必要な区分のみをスムーズに把握できるかが判断基準となります。

併設事業の共通経費を自動で配分できる製品は、「楽園」福祉会計システムの項目で紹介しています。

介護施設で会計システムを
効果的に運用するための
ポイント

要件に合致する会計システムを選定しても、施設内での数値の捉え方や運用ルールが分散していると、実務負担は軽減されません。
制度への対応を具体的な現場のワークフローに落とし込むための準備が不可欠です。

管理単位(集計軸)の
事前統一

ソフトの稼働前に、「どの単位で数値を把握するか」を明確に定義しておくことが重要です。
施設単体、本部合算、あるいは併設事業ごとの区分など、あらかじめ集計軸を確定させないと、後日の比較分析や再集計に多大な工数を要することになります。

共通ルールと証憑管理の
規定

摘要欄の記載方法や月次の締め日、領収書の保管場所など、標準的な共通ルールを整備するだけで、毎月の確認作業は大幅に円滑化します。
システムを導入しても拠点ごとに手法が異なれば、精査に時間を要するもの。後任者が迷わず実務を継続できる環境を整えておくことが大切です。

属人化を排除する
確認フローの構築

入力・確認・承認の工程を分離するだけでも、業務の属人化防止に大きな効果があります。
特定の担当者に依存した「ブラックボックス化」を避け、誰が担当しても運用が滞らない体制を築くのが、安定した現場の条件です。

あらかじめ確認の流れを設計したうえで、システムの本格稼働へ進みましょう。

介護施設に向いている
会計ソフト一覧

介護施設の会計ソフトは、「社会福祉法人会計基準に対応しているか」だけでは絞り込めません。介護施設の場合、国保連への請求データをどう会計側に取り込むか、併設事業の共通経費をどう按分するかという2点が、実務の負担を大きく左右します。

ここでは、この2点に対応できる製品を中心に5つ紹介します。

▼左右にスクロールできます▼
システム名 提供元 提供形態 費用 介護施設での強み
ほのぼのNEXT エヌ・デーソフトウェア株式会社 要問い合わせ
(5年間のソフトウェア使用権として提供)
要問い合わせ 介護ソフトの請求データを取り込んで仕訳伝票を自動生成。特養・デイ・訪問介護・障がい福祉の併設に対応
福祉総合システムSWING 株式会社CIJ 要問い合わせ
(導入事例でクラウド版への移行に言及)
要問い合わせ 給与システムと連動し、処遇改善加算を会計伝票へ自動反映。財務会計と資産管理が自動連動
福祉大臣NX 応研株式会社 オンプレミス 初期792,000円(税込)〜
年間保守66,000円(税込)〜
価格が公開されており予算化しやすい。独自ルールで管理したい中規模法人向け
「楽園」福祉会計システム 株式会社熊本計算センター オンプレミス/クラウド 要問い合わせ 水道光熱費や人件費などの共通経費を、面積比・時間比などの配分率で各拠点へ自動配分
ミスヘルパー 会計システム MIRAIZ株式会社 オンプレミス 月額6,600円(税込)〜
※別途データベース費用
月額費用が公開されており、単独事業所や小規模法人でも導入しやすい

※価格・提供形態は2026年1〜4月時点の調査に基づく情報です。最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。

ほのぼのNEXT:
国保連請求データを
会計に直結させたい施設へ

エヌ・デーソフトウェア株式会社が提供する会計システムです。同社の介護ソフトで作成した請求データを取り込み、仕訳伝票を自動生成できる点が、介護施設にとって最大の利点といえます。

国保連への請求業務が発生する施設では、請求データと会計データを別々に入力する二重作業が起きがちです。この工程を自動化できれば、月初の事務負担を直接的に減らせます。

また、水道光熱費や人件費といった共通経費の配分比率を仕訳パターンとして登録しておける点も、複数事業を併設する介護施設に適しています。特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問介護、障がい福祉サービスを同一法人で運営しているケースを想定した設計です。

  • 会計区分の登録状況を確認できるダッシュボード
  • 仕訳事例の内蔵と仕訳学習機能
  • 財務情報の一括修正
  • リース管理(オプション)
  • ログの詳細管理

PCA会計、大蔵大臣NX、SMILE V、勘定奉行との連携にも対応しています。

なお、基本的に5年間のソフトウェア使用権として提供され、使用権の期間内であれば制度改定に伴うバージョンアップが追加料金なしで適用されると案内されています。介護報酬改定が3年ごとに行われることを踏まえると、改定対応のコストを見込まずに済む点は検討材料になります。

向いている施設:特養・デイ・訪問介護など複数の介護サービスを併設し、国保連請求が発生する法人

ほのぼのNEXTの機能を詳しく見る

福祉総合システムSWING:
処遇改善加算の会計処理を
自動化したい施設へ

株式会社CIJが提供する、社会福祉法人会計基準および社協モデル経理規程に対応したシステムです。

介護施設の会計で手間がかかる工程のひとつが、処遇改善加算の会計処理です。SWINGは給与システムと連動し、処遇改善加算を会計伝票へ自動反映できます。加算の支給実績と会計上の計上額を一致させる作業を自動化できるため、実績報告時の突合作業が軽くなります。

財務会計システムと資産管理システムが自動連動し、減価償却費の算出から仕訳作成までを一貫して処理できる点も特徴です。介護施設は建物・送迎車両・介護機器など固定資産が多く、減価償却の処理負担が大きくなりやすいため、この連動は実務上の意味が大きい機能といえます。

  • 社会福祉法人会計基準・社協モデル経理規程に対応
  • 電子帳簿保存法に対応(JIIMA認証)
  • インボイス制度に対応
  • 財務諸表等電子開示システム(WAM NET)と連携

社会福祉法人安立園では、養護老人ホーム・特別養護老人ホーム・保育所など3拠点(2026年3月時点)を運営するなかで、Excel伝票の取り込み機能などを活用し、伝票入力作業を3日から1日へ短縮したと紹介されています。

向いている施設:処遇改善加算の管理に手間がかかっている法人、固定資産が多く減価償却の処理が負担になっている法人

福祉総合システムSWINGの機能を詳しく見る

福祉大臣NX:
費用を事前に把握して
予算化したい法人へ

応研株式会社が提供する、社会福祉法人向けの会計システムです。

介護施設の会計ソフト選びで困るのが、多くの製品が「個別見積もり」で価格を公開しておらず、理事会や評議員会に諮る前の概算をつかみにくい点です。福祉大臣NXは初期費用792,000円(税込)〜(Superスタンドアロン型)、年間保守66,000円(税込)〜(DMSS Cコース)と公開されているため、予算計上の段階で概算を立てられます。

独自のルールで細かく管理したい中規模法人に向いた製品として位置づけられています。

向いている施設:導入可否を理事会で諮る必要があり、事前に概算費用を把握したい法人

福祉大臣NXの機能を詳しく見る

「楽園」福祉会計システム:
共通経費の按分に
時間を取られている法人へ

株式会社熊本計算センターが提供する会計システムです。オンプレミスとクラウドの両方に対応しています。

介護施設の会計で最も属人化しやすいのが、共通経費の按分です。特養とデイサービスを同一建物で運営している場合、水道光熱費をどの比率で分けるか、職員の人件費をどの事業に割り振るかといった判断が毎月発生します。

「楽園」はこの按分を、面積比や時間比などの配分率に基づいて各拠点へ自動配分できます。按分ルールをシステム側に持たせることで、担当者が変わっても同じ基準で処理できる状態をつくれます。

財務三表の整合性を一画面で確認できるバランスチェック機能も備えています。

  • 仕訳日記帳入力/振替伝票入力
  • 伺い伝票のカスタム設定
  • 予算執行状況報告書
  • 小口現金出納データ入力・受入精算処理
  • 減価償却からの仕訳データ読込
  • 給与からの仕訳データ作成

向いている施設:同一建物・同一拠点で複数事業を運営し、共通経費の按分に時間を取られている法人

「楽園」福祉会計システムの機能を詳しく見る

ミスヘルパー 会計システム:
単独事業所・小規模法人へ

MIRAIZ株式会社が提供する会計システムです。

月額6,600円(税込)のスタンドアローン版、複数端末でデータを共有できる月額13,200円(税込)のネットワーク版が用意されています(別途データベース費用が必要)。月額費用が公開されている数少ない製品で、デイサービス単独やグループホーム単独など、事業規模が小さい法人でも検討しやすい価格帯です。

内部取引管理や財務諸表等電子開示システムへの対応も備えており、小規模でも社会福祉法人としての報告義務には対応できます。就労支援会計にも対応しているため、障がい福祉サービスを併設している場合にも適しています。

社会福祉法人よこすか黎明会(障がい者施設、利用者数50名)が、会計システムのほかケース記録システムや給与計算システムとあわせて導入していると紹介されています。

向いている施設:デイサービスやグループホームの単独運営など、事業規模が小さく費用を抑えたい法人

ミスヘルパー 会計システムの機能を詳しく見る

介護と保育を併設している法人は、
保育側の製品も確認を

社会福祉法人は、介護事業と保育事業を併せて運営している多機能型の法人が少なくありません。この場合、会計ソフトの選定を介護側の要件だけで進めると、保育側で必要になる処遇改善等加算の管理や委託費の弾力運用に対応できず、結局Excelでの補助管理が残ってしまうことがあります。

保育施設を併設している法人は、保育側の要件にも対応できるかをあわせて確認してください。

介護施設の会計ソフトに
関するよくある質問

一般的な会計ソフトでは、
介護施設の会計に対応できませんか?

対応できない場合があります。社会福祉法人が運営する介護施設は、社会福祉法人会計基準に沿って拠点区分・サービス区分ごとに会計を区分する必要があり、資金収支計算書・事業活動計算書・貸借対照表の3表を作成します。一般企業向けの会計ソフトはこの区分管理や帳票出力に標準対応していないことが多く、Excelでの補助作業が残りやすくなります。

ただし、株式会社やNPO法人が運営する介護事業所の場合は、社会福祉法人会計基準の適用対象外です。この場合は一般的な会計ソフトでも対応できるケースがあります。まず自法人がどの会計基準の適用対象かを確認してください。

国保連への請求データと
会計データは連携できますか?

製品によります。同一ベンダーの介護ソフトと会計ソフトを組み合わせる場合は、請求データを取り込んで仕訳伝票を自動生成できる製品があります。一方で、介護ソフトと会計ソフトのベンダーが異なる場合は、CSVでの受け渡しになるか、連携自体に対応していないこともあります。

すでに使っている介護ソフトの製品名を伝えたうえで、連携可否を見積もり時に確認してください。ここを確認せずに導入すると、二重入力がそのまま残ります。

複数の介護事業を併設している場合、
共通経費の按分は自動化できますか?

自動化できる製品があります。面積比や時間比などの配分率をあらかじめ登録しておき、水道光熱費や人件費を各拠点・各事業へ自動配分する機能を備えた製品が該当します。

按分をシステム側のルールとして持たせておくと、担当者が交代しても同じ基準で処理でき、指導監査の際に按分根拠を説明しやすくなります。按分作業に毎月時間を取られている場合は、この機能の有無を優先して確認してください。

処遇改善加算の会計処理に
対応した会計ソフトはありますか?

給与システムと連動し、処遇改善加算を会計伝票へ自動反映できる製品があります。加算の支給実績と会計上の計上額を一致させる作業が自動化されるため、実績報告時の突合が楽になります。

加算の管理に時間を取られている場合は、会計ソフト単体ではなく、給与システムとセットで検討するほうが効果が出やすくなります。

クラウド型とオンプレミス型の
どちらを選ぶべきですか?

複数拠点から同じデータを参照したい場合や、本部で各施設の数値をまとめて把握したい場合は、クラウド型が向いています。一方、単独施設で運用しており、インターネット接続環境に制約がある場合はオンプレミス型でも支障がないことが多くなります。

判断の詳細は保育所の会計システムはオンプレミスとクラウドどちらを選ぶべき?で解説しています(保育所向けの記事ですが、判断軸は介護施設にも共通します)。

導入費用の相場は
どのくらいですか?

製品によって幅があります。月額6,600円(税込)から利用できる製品がある一方、初期費用が66万円〜79万円台の製品もあります。多くの製品は「個別見積もり」としており、拠点数・事業数・利用ユーザー数によって金額が変わります。

費用の構造や比較方法は社会福祉法人向け会計システムの価格を徹底比較で整理しています。

介護施設で会計システムを
効果的に運用するための
ポイント

要件に合致する会計システムを選定しても、施設内での数値の捉え方や運用ルールが分散していると、実務負担は軽減されません。
制度への対応を具体的な現場のワークフローに落とし込むための準備が不可欠です。

管理単位(集計軸)の
事前統一

ソフトの稼働前に、「どの単位で数値を把握するか」を明確に定義しておくことが重要です。
施設単体、本部合算、あるいは併設事業ごとの区分など、あらかじめ集計軸を確定させないと、後日の比較分析や再集計に多大な工数を要することになります。

共通ルールと証憑管理の
規定

摘要欄の記載方法や月次の締め日、領収書の保管場所など、標準的な共通ルールを整備するだけで、毎月の確認作業は大幅に円滑化します。
システムを導入しても拠点ごとに手法が異なれば、精査に時間を要するもの。後任者が迷わず実務を継続できる環境を整えておくことが大切です。

属人化を排除する
確認フローの構築

入力・確認・承認の工程を分離するだけでも、業務の属人化防止に大きな効果があります。
特定の担当者に依存した「ブラックボックス化」を避け、誰が担当しても運用が滞らない体制を築くのが、安定した現場の条件です。

あらかじめ確認の流れを設計したうえで、システムの本格稼働へ進みましょう。

【施設別】
社会福祉法人向け
会計システムおすすめ3選

本メディアでは、「保育・介護・障がい者施設」それぞれのの課題を解決するおすすめの会計システムを紹介しています。システム選びの比較・検討にお役立てください。

保育施設なら
提出書類とWAM NETデータの
不整合を防ぐ
チャイルド社
CHAPPY®
チャイルド社公式HP
引用元:チャイルド社公式HP
(https://www.child.co.jp/category/pc/CHAPPY®.html)
  • 保育園向け会計システムのチェック機能により、数値の矛盾を自動で検知。自治体への提出やWAM NET登録の根拠となる決算報告書を正確に作成できる。
  • 紙の出納帳と同じデザインの入力画面を採用しているため、小口現金の記録がスムーズ。書き写し作業が不要になり、転記ミスを防止する。
介護施設なら
拠点ごとの収支管理を
会計基準に即して自動化する
NDソフトウェア
「ほのぼの」シリーズ
NDソフトウェア公式HP
引用元:NDソフトウェア公式HP
(https://www.ndsoft.jp/product/next)
  • 介護ソフトの確定請求データを取り込み、仕訳伝票を自動作成。利用者ごとの手入力作業と転記ミスの低減につながる。
  • 複数拠点で共通する経費を、仕訳パターンに登録するだけで自動配分。拠点選択ミスの一括修正機能も備え、毎月の締め作業時間を短縮する。
障がい者施設なら
預り金の透明化で
管理リスクを解消する
CIJ
SWING
CIJ公式HP
引用元:CIJ公式HP
(https://www.susaki-e.co.jp/product/)
  • 正規・非常勤・パートが混在する障がい者施設で発生しがちな、複数月にわたる給与の遡及差額計算を自動化。計算ミスによる給付費の返還リスクを低減する。
  • グループホームなどの施設ごとに、利用者の預り金を個別・一括で管理し、明細帳票を出力。法人の資金と混同しやすい工賃や預り金をミスなく運用しやすい。
施設別に選べる
社会福祉法人向け
会計システム3選