社会福祉法人向けの会計システムを探しており、クラウド型が自法人に合うか見極めたい担当者に向けて、オンプレミス型との違いや、クラウド型が向く法人の特徴を解説します。
クラウド型とオンプレミス型の違いは、どこにデータや運用環境を置くかだけでなく、誰が保守や障害対応の責任を持つかにもあります。
自社で設備を持つオンプレミス型と、提供会社の環境を使うクラウド型では、運用負担が変わります。
| オンプレミス型 | クラウド型 | |
|---|---|---|
| 導入時にかかる費用 | サーバー準備や初期設定が必要で、高くなりやすい | 導入しやすく、比較的抑えやすい |
| 導入後にかかる費用 | 保守費や、数年ごとの入れ替え費用がかかることがある | 月額利用料がかかる。人数や拠点数で変わることが多い |
| トラブル時の対応 | 自法人で確認・対応する範囲が広い | 提供会社が対応する範囲が多いが、事前確認が必要 |
| 利用場所の柔軟性 | 利用環境が法人内中心になりやすい | インターネット環境があれば、拠点をまたいで利用しやすい |
| 複数施設の集約しやすさ | 運用設計によっては、本部集約に工夫が必要 | 複数施設の情報を、本部で確認しやすい製品がある |
クラウド型は、本部でのデータ集約やシステム管理負担の軽減を重視する法人で選ばれやすい運用形態です。
拠点ごとに別々のパソコンを確認しに行かないと数字が集まらないといった事態を防ぐ効果が期待できます。
導入時の初期費用だけを見るとクラウド型の方がお得に感じられますが、5年間のトータルコストや保守の適用範囲まで含めて比較することが大切です。
また、システム障害が発生した際に、誰がどこまで対応するのかの事前確認も欠かせません。
比較表はあくまで一般的な傾向を示したものです。実際の使い勝手は、会計基準対応の深さ、拠点数、利用人数、WAM NET対応、保守範囲などによっても変わります。
型の違いを把握したあとは、自法人の状況に適した製品を探してみてください。
社会福祉法人では、法人全体や事業区分別、拠点区分別での数字管理が必要です。
クラウド型であれば、離れた施設ごとの数字を本部からタイムリーに確認しやすくなり、実務上の運用が円滑に進められます。
月末に各施設からデータを集めないと本部で全体の着地が見えないといった状態を抑制可能。
制度上求められる区分ごとの計算書類作成をスムーズに進めるうえで、本部集約のしやすさは重要な判断材料です。
サーバー機器の運用やデータバックアップ、システム更新の対応を自前で行う必要がない点もクラウド型の利点。
詳しい担当者が退職したあとに誰もバックアップ手順が分からないといった不安を払拭できます。
誰がいつデータを修正したかの記録が残る機能や、監査の前に処理履歴をたどれる機能は、法人の内部統制を保つために欠かせません。
クラウド型製品の多くは、細かな権限設定やログ管理機能を備えています。
WAM NET関連の業務や法令改正への対応は、毎年継続して発生する作業です。
クラウド型システムの多くは、社会福祉法人会計基準への対応やWAM NETの財務諸表等電子開示システム連携、法改正に伴う更新に対応しています。
自前で制度の変更を追いかけ続ける手間を省けるのがクラウド型の強みです。
社会福祉法人会計基準やWAM NETへの対応を前提とし、会計業務を社会福祉法人向けの型にきちんと乗せたい法人に向いた会計システムです。
内部取引管理や予算管理、決算処理まで、社会福祉法人専用に設計されているのが特徴。
クラウド版のタイプDCを利用すれば、サーバー管理の手間がなく、法令改正時のシステム更新にも追加料金なしで対応できます。
複数の施設を抱えており、本部の集約作業や関連業務まで含めて社会福祉法人向けにまとめて整えたい法人に向いています。計算書類や附属明細書の作成機能に加え、周辺業務との連携機能も搭載。
単体の会計業務だけでなく、証憑保管や給与管理、経営分析までを視野に入れたシステム構築が可能。
「現場作業は減ったが本部側で別の管理作業が発生してしまう」といった不満を抑えられる構成です。
クラウド版では離れた施設での利用がしやすく、事業継続計画の観点からもメリットがあります。
少人数の経理体制で、紙の処理や転記、銀行の記帳、請求書処理といった日々の細かな手作業を減らしたい法人に向いている会計システムです。
請求書や領収書の読み取り、仕訳の自動化、給与連携などの機能を備えています。
銀行口座と連携して入出金データを自動取得できるため、通帳記帳のために銀行へ行く手間も不要に。
取引内容に応じて仕訳を自動で作成する機能や、請求書・領収書の読み取り機能によって、これまで手入力していた仕訳作業を確認のみに変えられる点も特徴です。
事業区分や拠点区分、サービス区分間の整合性チェックを行い、計算書類の信頼性を高める必要のある法人に向いています。
会計基準に準拠し、資金収支計算書や事業活動計算書などの作成機能を提供。
共通費の自動配賦や内部取引の整合性チェック機能によって、数字のつながりを処理の途中で点検しやすいのが魅力です。
データセンター上でシステムを運用するため、自法人でサーバーを保有・管理する必要がありません。
バックアップや障害対応、セキュリティ対策も含めて外部に任せられるため、運用負担を抑えながら安定した環境を維持しやすい点も特徴です。
わかりやすい操作感でありつつも、WAM NETの財務諸表等電子開示システム連携や、拠点区分ごとの按分処理まできちんと押さえたい法人に向いています。
社会福祉法人会計基準に準拠したクラウド対応製品です。
拠点区分やサービス区分ごとの伝票方式、バランスチェック、自動仕訳、小口現金管理などといった機能が充実しています。
社会福祉法人特有の入力方式に合わせつつ、数字がおかしくないかを見返しやすい仕組みです。
入力途中で処理の誤りに気づきやすいため、決算期の修正作業を減らせるでしょう。
介護や障がい福祉、保育といった現場の基幹業務データと会計データを連携できるため、請求データをもとに売上や未収金を反映しやすくなります。
別システム間での転記や二重入力を減らし、「現場の数字」と「会計の数字」をつなぎ直す作業を減らしたい法人に適した会計システムです。
財務会計システム本体には、会計区分の登録状況がわかるダッシュボードや仕訳学習、一括修正、詳細ログなどの機能を搭載。
介護サービス事業者経営情報データベース向けの出力にも対応しています。
自法人内で運用環境を管理したい場合や、既存のネットワーク・端末運用ルールとの整合性を重視したい法人では、オンプレミス型も有力な候補になります。
外部のネットワークに依存しない運用を希望する法人や、環境を細かく定めたい法人に適した仕組みです。
すでに強固なセキュリティ環境を構築しており、既存の運用ルールと合わせやすい場合はオンプレミス型の導入がスムーズに進められます。
ただし、保守やデータバックアップ、システム更新の確認、障害対応などを自法人で持つ範囲が広がる点には要注意。外部と切り離されているから安心と単純化せず、誰が何を運用するかを見極める必要があります。
最終的な判断は、システムの型だけで決めるべきではありません。社会福祉法人会計基準への対応度、区分管理のしやすさ、必要な帳票の網羅性、電子開示連携、本部集約の要件などを総合的に評価して決定してください。
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